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コンパクトなボディに本格的なDAC回路を詰め込んだUSB DAC/ヘッドホンアンプとして、長く支持されてきた「Khadas Tone2 Pro」。PCやスマホの音質を手軽にワンランク上げたいと考えたときに候補に挙がる製品の一つです。本記事は実機を所有しての体験レビューではなく、公開されている仕様情報や複数のレビュー記事をもとに、購入を検討している方向けに特徴と同価格帯モデルとの違いを整理した情報紹介記事です。
Khadas Tone2 Proとは
Khadas Tone2 Proは、シングルボードコンピューターで知られる中国Khadas社が展開するオーディオブランド「Tone」シリーズの第2世代モデルです。前身モデル「Tone Board」で培ったノウハウをベースに、ボディの薄さを保ちながら3.5mmシングルエンド出力に加えて4.4mmバランス出力、独自のBalanced RCAラインアウトまで搭載した多機能設計が特徴です。2020年末の登場以来、”デスクトップに置き場所を取らないDAC”としてオーディオファンの間で長く選ばれてきたロングセラーモデルといえます。
スペック・主な特徴
DAC・アンプ構成
心臓部にはESS製「ES9038Q2M」DACチップを採用。信号経路にはTI製オペアンプ「OPA1612」を4基、バッファアンプ「RT6863D」を3基組み合わせた3段階の増幅回路を備え、メーカーによると最大150Ωのインピーダンスを持つヘッドホンまで駆動できるとされています。USB伝送・MQAデコード処理にはXMOS製「XU216」を採用し、最大32bit/768kHz PCM、ネイティブDSD512、MQAフルデコードまでカバーします。
出力端子・サイズ
出力は3.5mmシングルエンド、4.4mmバランスのヘッドホン出力に加え、Khadasが特許を取得している独自規格「Balanced RCA」のライン出力を搭載。一般的な2ピン構成のRCAに正相・逆相・GNDの3ピン構成を持たせることで、通常のRCA端子と同じサイズのままバランス伝送を可能にしています。ボリュームはアナログの物理ホイールで調整する方式です。本体サイズは約17.0×88.0×61.5mm(RCA端子を含むと約68mm)、重さは約100gと、名刺やクレジットカードに近い感覚で扱えるコンパクトさも特徴です。
Khadas Tone2 Proならではの注目ポイント
同価格帯のDAC/ヘッドホンアンプと比べたときに、Tone2 Pro独自の強みといえるのが次の3点です。
- デュアルUSB-C構成:1つ目のUSB-CでPCなどからデータを受け取りつつ、2つ目のUSB-Cに5Vのリニア電源を接続することで、電源由来のノイズを分離できる設計になっています。バスパワー駆動が基本のため、USBケーブル1本だけで使い始められる手軽さも兼ね備えています。
- 独自のBalanced RCA:専用ケーブルを介せばXLR対応機器へバランス出力を伝送できるため、ヘッドホンアンプとしてだけでなく、プリアンプ的にオーディオシステムへ組み込む使い方も想定されています。
- 圧倒的なコンパクトさと操作性:厚み17mmという薄型ボディはデスク上の設置スペースを取らず、ノートPCの横に置いても圧迫感がありません。一方でアナログホイールによる直感的な音量調整など、小型機にありがちな「操作しづらさ」を感じにくい工夫がされています。
同価格帯モデルとの違い|FiiO K7・SMSL DL100と比較
USB DAC/ヘッドホンアンプは同じような価格帯に選択肢が多く、スペックだけを見ると似通って見えがちです。ここではよく比較検討されるFiiO「K7」、そしてHDMI(ARC)入力やBluetooth対応で注目されるSMSL「DL100」との違いを整理します。
| 項目 | Khadas Tone2 Pro | FiiO K7 | SMSL DL100 |
|---|---|---|---|
| DACチップ | ESS ES9038Q2M | AKM AK4493SEQ×2(デュアル) | CS43131×4 |
| アンプ構成 | OPA1612×4+RT6863D×3の3段増幅 | THX-AAA 788+×2によるフルバランス設計 | OPA1612Aオペアンプ採用、最大3.0W(16Ω)出力 |
| 対応フォーマット | PCM768kHz/32bit、DSD512、MQAフルデコード | PCM384kHz/32bit、DSD256 | PCM768kHz/32bit、DSD256、MQA-CD対応 |
| 出力端子 | 3.5mm/4.4mmバランス/独自Balanced RCA | 6.35mm/4.4mmバランス/RCA/光/同軸 | 6.35mm+4.4mmバランス/XLRバランス+RCA/HDMI(ARC)/Bluetooth 5.1 |
| 本体サイズ感 | 厚み17mmの超薄型・約100g | 据え置き向けのやや大きめ筐体 | 据え置き型・リモコン付属 |
| 特徴 | デュアルUSB-C/独自バランスRCA/ホイール操作 | フルバランス設計で高い駆動力、入出力が豊富 | HDMI(ARC)・Bluetooth入力に対応し汎用性が高い、フルリモコン操作 |
表からもわかるように、FiiO K7は光・同軸まで揃えた入出力の豊富さとフルバランス設計による駆動力を重視したモデルで、据え置きオーディオの中核として使いたい人向けです。SMSL DL100はHDMI(ARC)入力でテレビの音声もデコードでき、Bluetooth入力やリモコンも備えるなど、DACとしての枠を超えた汎用性の高さが持ち味です。一方Khadas Tone2 Proは、この2機種と比べても頭ひとつ抜けたコンパクトさと、独自のBalanced RCA・デュアルUSB-Cといった”機能を薄型ボディに凝縮する”方向性に振り切っているのが差別化ポイントです。設置スペースを最優先したい人や、ノートPCと組み合わせて使いたい人には特に刺さる選択肢といえるでしょう。
こんな人におすすめ
- デスク上の設置スペースを極力取りたくない人
- ノートPCやスマホと組み合わせて、コンパクトなサイズ感を求める人
- 将来的にXLR対応のオーディオ機器へバランス出力で接続したい人
逆に、光デジタルや同軸などの入出力を使って複数の機器を切り替えながら使いたい人や、とにかく高い駆動力でハイインピーダンスなヘッドホンを鳴らしたい人はFiiO K7、テレビなど複数のソースをHDMIやBluetoothでまとめて接続したい人はSMSL DL100のような、よりフル装備なモデルの方が満足度は高いかもしれません。
まとめ
Khadas Tone2 Proは、ESS ES9038Q2Mを核とした本格的なDAC回路と、独自のBalanced RCA・デュアルUSB-Cといった個性的な機能を、厚み17mmという圧倒的なコンパクトさに詰め込んだUSB DAC/ヘッドホンアンプです。同価格帯のFiiO K7やSMSL DL100と比べると入出力の数では見劣りする部分もありますが、”設置スペースを取らずに本格的な音質を”というコンセプトにおいては独自の立ち位置を確立しているモデルといえます。購入を検討する際は、自分の使い方に必要な出力端子が揃っているかを確認したうえで選ぶのがおすすめです。
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